- 大音量・長時間のイヤホン使用は内耳の有毛細胞に負担をかけ、聴こえづらさの原因になりうると報告されている
- 世界保健機関(WHO)は12〜35歳の若者のうち約10億人が音響性の聴覚リスクにさらされていると指摘している
- 音量・使用時間・休憩の3点を意識するだけで、耳への負担は大きく変わってくる
- ノイズキャンセリング機能や骨伝導タイプなど、耳に配慮した設計のイヤホンを選ぶことも有効な工夫のひとつ
- 子ども用には音量制限機能付きのモデルを選ぶという声も増えている
「イヤホン難聴」が注目されている理由
通勤中や勉強中、就寝前など、日常のあらゆる場面でイヤホンやヘッドホンを使う人が増えている。それにともなって、大きな音量で長時間音楽やコンテンツを聴き続けることによる耳への負担、いわゆる「イヤホン難聴」「ヘッドホン難聴」という言葉が広く知られるようになってきた。
国内の調査では、「スマホ難聴」という言葉の認知率が4割程度、「イヤホン・ヘッドホン難聴」という言葉の認知率は5割を超えているという結果も出ており、言葉自体の認知は広がりつつある一方で、実際にどう対策すればよいかまでは意外と知られていないという声もある。
世界保健機関(WHO)が示す音量と時間の目安
世界保健機関(WHO)は、個人用オーディオ機器(イヤホン・ヘッドホン)の使い方について、具体的な音量と時間の目安を示している。この目安は、耳への負担を考えるうえでのひとつの参考として広く紹介されている。
| 音量の目安 | 1週間あたりの目安時間 | 場面のイメージ |
|---|---|---|
| 75〜80dB程度 | 40時間程度 | 通勤・通学中の音楽再生に近い音量 |
| 90dB程度 | 数時間程度 | 交通量の多い道路脇に近い音量 |
| 100dB以上 | 数分〜数十分程度 | 音量を最大近くまで上げた状態 |
数値だけを見るとわかりにくいが、要するに「音量を上げるほど、安心して聴ける時間は短くなる」という関係にあるということだ。移動中や外出先で周囲の音がうるさいからとつい音量を上げてしまう、という経験がある人は多いのではないだろうか。
耳に負担がかかる仕組み
耳の奥(内耳)には、音の振動を電気信号に変えて脳に伝える細かい毛のような細胞(有毛細胞)が並んでいる。大きな音の振動を長時間受け続けると、この細胞に負担が積み重なっていくと考えられている。
また、密閉性の高いカナル型イヤホンは外の音を遮断しやすい分、静かな環境でも「もう少し音量を上げないと物足りない」と感じにくくなる一方、周囲の騒音がある場所ではつい音量を上げすぎてしまう、という傾向も指摘されている。イヤホンの装着タイプによって、音量の上げやすさに差が出るという点は覚えておきたい。
耳への負担を減らすイヤホンの選び方
「聴く時間を減らす」「音量を控えめにする」という基本を押さえつつ、イヤホン自体の機能で負担を減らす工夫もできる。ここでは代表的な4つの方向性を紹介する。
① ノイズキャンセリング機能を活用する
② 外音取り込みモードを使い分ける
電車内や街中など、周囲の状況を把握したい場面では、外の音を取り込むモードに切り替えるのもひとつの方法だ。イヤホンを外さずに周囲の音を確認できるため、音量を無理に上げる必要がなくなる。
③ 骨伝導タイプで耳の穴をふさがない
④ 音量制限機能付きモデルを選ぶ(特に子ども向け)
子ども用のイヤホン・ヘッドホンには、最大音量をあらかじめ一定のレベルに制限できるモデルが多く販売されている。保護者が音量の上限を管理できるという点で、家庭学習用や外出時の利用に選ばれるケースが増えている。
耳への配慮という視点で選びたいおすすめモデル7選
ここからは、耳への負担を意識しながら選びたい定番モデルを紹介する。用途や年齢に合わせて、無理のない音量で楽に使えそうなものを探してみてほしい。
Sony WF-1000XM5
Bose QuietComfort Ultra Earbuds
Anker Soundcore Space A40
Apple AirPods Pro 2
Shokz OpenRun
onanoff BuddyPhones School+
Loop Earplugs
日常でできる耳を守る工夫
イヤホン自体の機能に加えて、日々の使い方の工夫も耳への負担を左右する。以下のような点を意識してみるとよいだろう。
- 音量は「周囲の話し声が聴き取れる程度」を目安にする
- 1時間程度使ったら、いったんイヤホンを外して耳を休ませる
- 就寝時にイヤホンをつけたまま眠ってしまわないよう気をつける
- 騒がしい場所では音量を上げる前にノイズキャンセリング機能をオンにする
- 子どもが使う場合は、音量制限機能付きのモデルを選び、使用時間も合わせて確認する
いずれも特別な準備が要らない工夫ばかりだ。イヤホンを買い替えるタイミングで、こうした機能を備えたモデルを選んでおくと、日々の使い方を大きく変えなくても耳への負担を意識しやすくなる。
まとめ
イヤホンやヘッドホンは今や生活に欠かせない存在になっているが、その分だけ耳への負担についても知っておく価値がある。世界保健機関(WHO)が示す音量と時間の目安を参考にしながら、音量は控えめに、使用時間はこまめに休憩を挟むことを意識したい。加えて、ノイズキャンセリングや外音取り込み、骨伝導、音量制限機能といった、耳への配慮につながる機能を備えたモデルを選ぶことも、無理のない音楽体験を続けるための工夫のひとつになる。子どもが使う場合は特に、音量制限機能付きのモデルを選び、保護者が管理しやすい環境を整えておくと安心感が高い。今回紹介したモデルを参考に、自分やご家族の使い方に合ったイヤホンを見つけてみてほしい。
イヤホン聴覚障害のリスクと耳を守る選び方|おすすめモデル7選をまとめました
大音量・長時間のイヤホン使用は耳への負担につながりうるとされ、世界保健機関(WHO)も若年層への注意を呼びかけている。音量と時間の目安を意識しつつ、ノイズキャンセリングや外音取り込み、骨伝導、音量制限機能を備えたイヤホンを選ぶことで、日々の音楽体験を無理なく続けやすくなる。子ども用には音量制限機能付きモデルを選ぶという工夫も広がっており、家族それぞれの使い方に合ったイヤホン選びが、耳への負担を意識した快適なリスニング環境につながっていく。













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